泣き寝入りはダメ!ゆとりを悩ます「アカデミック・ハラスメント」の実態

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大学生の単位の行く末を握っており、とりわけ卒論を担当するゼミの教授などはラスボスのような存在です。

このように上下関係が明確であるため、教授側がその権力を濫用して学生に嫌がらせを行い、精神的・肉体的障害を及ぼし、個人の正当な権利である研究、及び就学の機会を奪う「アカデミック・ハラスメント」、通称“アカハラ”が、最近になって問題視されるようになってきました。

学生ならば誰もがその当事者になってもおかしくない「アカハラ」。そのような場面に遭遇したときのために、今回は、その実態と対処法をご紹介します。

人格否定に指導放棄……その酷すぎる実態とは?

「高圧的で自分に従順でない生徒に対しては攻撃的な態度をとるゼミの担当教授。私は些細な出来事がキッカケで嫌われてしまい、卒論執筆の際に『お前には指導をしたくない』と宣言され、更には『お前なんて今後の人生上手くいかない、幸せになれない』『最低の人間だ』と今後の人生や人格まで否定されてしまいました。確かに私にも落ち度はりましたが、指導放棄をされるほどのことをした覚えはありません。そもそもこっちは学費を払っているのに……。親への申し訳なさや他人から強く否定されたことによるショックで、一時は体重が激減したほど。今でもトラウマです」(24歳/女性/会社員)

研究室という閉ざされた空間では、監視の目も行き届くことなく、独裁が行われがち。更に教授は学生の単位を握るという、絶対的権力を所持しているため、いくらでもコントロールが可能なのです。

学生たちも卒業が目的なので、容易に逆らうこともできず、「自分にも落ち度があるから告発しても言い負かされて、余計不利な状況に追いやられるのでは?」と、泣き寝入りしがち。

しかし、彼女の例のように、いくら自分に落ち度があったとしても、無視や指導放棄は教授の職務怠慢。私怨による人格否定などもってのほかであり、十分アカハラとなりえるでしょう。

「アカハラ」で自殺を考える学生も……

「『1週間で文献50冊を読んで要約を提出しなければ単位を認めない』とか、高熱が出て一度ゼミを休んだら『やる気があるのか?そんなんじゃ卒業させられない』と怒鳴られるなど、ことあるごとに到底無理な課題を強い、卒業をチラつかせて脅されてきました。精神的に追い詰められてしまい、一時は自殺を考えたこともあります。大学院進学を希望していましたが、この精神状態ではそれは危険と判断。卒論提出後という遅すぎる時期から就活して、やっとの思いで今の会社に入ることができました」(25歳/男性/会社員)

「アカハラ」を行うような教授は、もはや学生を一人の人格として認めていません。そのため、常人では決して遂行しえないような課題を強いるのは、その最も良い例と言えるでしょう。

その上、「卒業させない」という脅しをかけ、プレッシャーを与えるため、学生の心理状態は究極に追い詰められてしまいます。このような「アカハラ」が原因で、学生が自殺してしまった例も実は少なくないのです。

では、最悪な結末を迎えてしまう前に、一体どのような対処をする必要があるのでしょうか。

「アカハラ」の対処法とは

アカハラを受けると、精神的なダメージを負い、うつ状態に陥ってしまう事も。そのため、少しでも「おかしいな」と思う事があったら、頼りになる人に話を聞いてもらいましょう。同情してもらうことで、少しは心が軽くなるものです。

また、心理的なケアだけでなく、根本的に「アカハラ」自体を解決をするためには、理性的な対応が大切。

まず、学校に「アカハラ」に関する相談窓口があるかどうか確認しましょう。存在が確認できてもすぐに相談するのではなく、事実を証明するために、精神的に負担となった出来事が起きた日時や状況などを詳しく記録するなど、第三者の理解を得られるように準備をすることが重要になってきますよ。

そもそも「アカハラ」なのかどうか判断がつきにくい、学校に相談したことが教授にバレたら更に追い詰められるのでは……?など、心配事がある場合には、NPO「アカデミック・ハラスメントをなくすネットワーク(NAAH)」で電話・メール・手紙で相談をするのも一つの手です。

大学の4年間は人生においても非常に大切な学びの時間。それが絶対的権力によって侵害されてしまうのは、許されることではないでしょう。

すべての学生が専門分野の探求を快適な精神状態で行えることを願ってやみません。

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